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神戸市立博物館開館40周年記念特別展 よみがえる川崎美術館―川崎正蔵が守り伝えた美への招待― 2022年10月15日(土曜) ~ 2022年12月4日(日曜)

この展覧会は終了しました

開催概要

100年ぶりに国宝を含む伝説のコレクションが再会。夢の美術館がついによみがえる。
明治23年(1890)9月6日、神戸市布引の川崎邸(現在のJR新神戸駅周辺)に日本初の私立美術館「川崎美術館」が開館しました。創設者は、川崎造船所(現川崎重工業株式会社)や神戸新聞社などを創業した川崎正蔵(かわさきしょうぞう/1837~1912)です。
明治時代、西洋文化の流入が急速に進むなか、川崎正蔵は廃仏毀釈や海外流出から日本・東洋の美術品を守るために、それらの収集をはじめました。それらの優品を秘蔵せず、公開することを目的に美術館を開館したのです。
美術館は川崎正蔵の歿後も活動を続けましたが、昭和初期の金融恐慌をきっかけにコレクションは散逸。美術館の建物も災害などにより失われてしまいましたが、川崎正蔵が愛した作品は、今なお国内外で大切に守り伝えられています。
本展では、約100年ぶりに珠玉の作品が再び神戸に集います。今秋期間限定でよみがえる川崎美術館へと、ぜひ足をお運びください。
会  期
令和4年10月15日(土曜)~12月4日(日曜)【44日間】
※会期中、一部の作品は展示替えを行います
休 館 日
月曜日
開館時間
9時30分~17時30分(金曜と土曜は19時30分まで)
※入場は閉館の30分前まで
主  催
神戸市立博物館、神戸新聞社、毎日新聞社、NHK神戸放送局、NHKエンタープライズ近畿
特別協賛
川崎重工業株式会社
協  賛
公益財団法人日本教育公務員弘済会兵庫支部、一般財団法人みなと銀行文化振興財団
入 場 料
当 日 前売・団体
一 般 1,600円 1,400円
大 学 生 800円 600円
高校生以下 無料 無料

※神戸市在住で満65歳以上の方は当日一般料金の半額。(確認できるものをご持参ください)
※団体は20名以上。
※障がいのある方は障がい者手帳などの提示で無料。(確認できるものをご持参ください)
前売券:令和4年8月23日(火曜)~10月14日(金曜)まで各プレイガイ ドで販売。
※チケットの詳細・販売場所などは展覧会公式HPをご覧ください。
※本展の入場に事前予約は必要ありません。ただし、展示室内の混雑状況により、入場をお待ちいただく場合があります。
〇新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、展覧会内容を変更させていただく場合があります。
〇新型コロナウイルス感染症対策のため、ご来館の際には、マスクの着用、検温、手指の消毒等にご協力をお願いします。館内ではできるだけ会話をお控えください。
〇館内の混雑状況によっては、入館、入室を制限する場合があります。
展覧会公式サイト
https://kawasaki-m2022.jp/

みどころ―1 名品ぞろい「川崎コレクション」

国宝 2 件、重要文化財 5 件、重要美術品 4 件を含む、絵画、仏像、工芸品約80 件と貴重な資料を合わせた約 110 件を展示。

国宝 伝銭舜挙「宮女図(伝桓野王(かんやおう)図)」
元時代・13 世紀~14 世紀 個人蔵
(展示期間:11 月 15 日~12 月 4 日)

みどころ―2 円山応挙の襖絵(ふすまえ)でよみがえる美術館の空間

本展では、川崎美術館を彩った襖絵を立体的に展示し、館内の空間の一部を再現します。また、『陳列品目録』(出品リスト)を手がかりに、当時の展観の様子の一端をご覧にいれます。

川崎美術館 1 階広間 再現イメージ Image:TNM Image Archives 東京国立博物館から提供の画像を加工
(通期展示)

円山応挙「海辺老松図(かいへんろうしょうず)襖」(部分)
天明 7 年(1787) 東京国立博物館
Image:TNM Image Archives(通期展示)

みどころ―3 煌びやかな「名誉の屏風」

明治 35 年(1902)の明治天皇の神戸行幸で御用立てられ、「名誉の屏風」と呼ばれた 5 双の金地屏風。その内、海外から初の里帰り公開となる狩野孝信筆「牧馬図(ぼくばず)屏風」をはじめ、伝狩野孝信筆「桐鳳凰図屏風」、狩野探幽筆「桐鳳凰図屏風」の 3 双が登場します。

狩野孝信「牧馬図屏風」 桃山時代~江戸時代・16 世紀後期~17 世紀初期 個人蔵(通期展示)

重要美術品 伝狩野孝信「桐鳳凰図屏風」 桃山時代~江戸時代・16 世紀後期~17 世紀初期 林原美術館(通期展示)

狩野探幽「桐鳳凰図屏風」 江戸時代・17 世紀 サントリー美術館(展示期間:11 月 8 日~12 月 4 日)

展覧会の構成と主な出品作品

造船王と呼ばれた大実業家

第一章 実業家・川崎正蔵と神戸

天保 8 年(1837)薩摩に生まれた川崎正蔵は、長崎や大坂で海運業などに携わり、明治 11 年(1878)には東京築地に「川崎造船所」を開設しました。同 14 年、神戸に「兵庫川崎造船所」を開設、同 19 年には神戸へ造船所を集約すると、実業と生活の拠点を神戸に移しました。川崎造船所や神戸新聞社、神戸川崎銀行などを創設・経営し、日本を代表する実業家として神戸で活躍した川崎正蔵の功績を紹介します。

【左】グイード・モリナーリ「川崎正蔵翁像」 明治 33 年(1900) 川崎重工業株式会社(通期展示)
【右】「WORKS & PRODUCTS OF KAWASAKI DOCKYARD CO., LTD., KOBE, JAPAN.」大正 2 年(1913)頃 神戸市立博物館(通期展示)

垂涎のコレクションをご覧あれ

第二章 収集家・川崎正蔵とコレクション

川崎正蔵による日本・東洋美術の収集は、明治初期から始まりました。古美術品の看過、海外流出を憂慮した川崎正蔵は時代・地域・ジャンルを問わず、金額がいくらであろうと優品の購入を進めます。その結果、千数百点を数える一大コレクションを築き上げました。本展では、大正 3 年(1914)の川崎正蔵三回忌に刊行された豪華図録『長春閣鑑賞』の掲載作品を中心に、旧蔵品を通して彼のコレクションと審美眼に迫ります。

【左】川崎芳太郎編『長春閣鑑賞』第1集表紙 國華社 大正 3 年(1914) 川崎重工業株式会社蔵 (通期展示)
【右】重要文化財 康円「広目天眷属像」 文永 4 年(1267) 静嘉堂文庫美術館(通期展示)

100 年ぶり、ついに姿をあらわす夢の美術館

第三章 よみがえる川崎美術館

川崎正蔵は、長年かけて集めたコレクションを秘蔵することは「国の宝が埋もれること」と考え、これを公開するため、明治 23 年(1890)に川崎美術館を開館しました。美術館の建物は現存しませんが、当時の『陳列品目録(出品リスト)』や室内を彩っていた円山応挙の障壁画によって、室内の状況が部分的に明らかとなりました。本章では、1 階の上之間・広間・三之間の 3 室を再現展示するとともに、『陳列品目録』を手がかりに、当時の展観の様子の一端をよみがえらせます。

【左】円山応挙「雪景山水図」 天明 7 年(1787) 東京国立博物館 Image:TNM Image Archives(通期展示)
【右】宣宗「麝香猫(じゃこうねこ)図」 明時代・宣徳元年(1426) 個人蔵(通期展示)

「名誉の屏風」奇跡の再会!

第四章 美術とともに

川崎正蔵は美術家の支援者(パトロン)でもありました。尾張の七宝工・梶佐太郎を神戸に呼び、中国・明代の七宝焼を範とした「宝玉七宝」の製作にあたらせると、寺社への奉納、知人への贈呈など、美術の普及と交流に努めました。
また、明治 33 年(1900)パリ万博で名誉大賞を獲得した「宝玉七宝大花瓶」をはじめ、皇室へ美術品を献上しています。同 35 年の神戸行幸では舞子の行在所(あんざいしょ、有栖川宮舞子別邸)に川崎正蔵の金地屏風 5 双が御用立てられ、当時の新聞記事で「名誉の屏風」と称されました。そのうち、3 双が本展で再会を果たします。

梶佐太郎「牡丹唐草文鐶付七宝花瓶」
明治時代後期~大正時代・19 世紀~20 世紀初期
名古屋市博物館(通期展示)

思いをつなぐ名品

第五章 川崎正蔵が蒔いた種―コレクター、コレクション、美術館

川崎正蔵の歿後(ぼつご)、金融恐慌をきっかけにコレクションは散逸し、昭和 13 年(1938)の阪神大水害や同 20 年の神戸大空襲により、川崎美術館も姿を消してしまいました。しかしながら、彼の熱意は同時代そして後世のコレクターや美術館・博物館に継承され、旧蔵品は国内外で約 200 点の現存が確認されています。川崎正蔵が日本・東洋美術の優品を守り伝えてくれたことが、今の私たちの、美術館・博物館における展覧会のたのしみ、美術品との出会いにつながっていると言えるでしょう。
本展の最終章では、川崎正蔵が愛蔵した 2 つの作品―足利将軍家から伝わる元時代の人物画の名品「宮女図」、命に次いで大切にしていた「寒山拾得図」―を紹介します。
作品を守り伝え、未来へとつないでいく―その種を蒔いた川崎正蔵の功績を顕彰します。

重要文化財 伝顔輝「寒山拾得図」 元時代・14 世紀東京国立博物館 Image:TNM Image Archives
(展示期間:10 月 15 日~11 月 13 日)

全出品作品及び展示替え

出品一覧・展示替え予定表

広報用画像に関するお問い合わせ

「よみがえる川崎美術館」広報事務局(共同PR内)担当:三井
〒104-0045 東京都中央区築地1-13-1銀座松竹スクエア10階
TEL:03-6264-2382
FAX:0120-653-545
E-mail:[email protected]

関連イベント

記念講演会「よみがえる川崎美術館」

日付
10月16日(日曜)
時間
11時~12時30分(受付、開場は9時30分~)
場所
神戸市立博物館 地階講堂
講師
石沢 俊(神戸市文化スポーツ局文化財課担当係長、本展企画・構成)
定員
80名(当日先着順、当日9時30分から地階講堂前で整理券を配布します。)
対象
一般
参加費
無料(ただし、当日ご使用いただける本展観覧券が必要です。)

学芸員が語る「よみがえる川崎美術館」

特別展担当学芸員が、出品作品の魅力について語ります。

(1)令和4年11月19日(土曜)
①「九州国立博物館所蔵阿弥陀三尊像の表現について−神秘と世俗の狭間」
  川野憲一(神戸市立博物館 学芸員)
②「宝玉七宝―支援家としての川崎正蔵」
  中山創太(神戸市立博物館 学芸員)

(2)令和4年11月26日(土曜)
①「岩崎虔『征西日記』にみる川崎正蔵のヨーロッパ巡遊」
  水嶋彩乃(神戸市立博物館 学芸員)
②「円山応挙による旧帰雲院障壁画について」
  山田麻里亜(神戸市立博物館 学芸員)

時間
各日10:30~12:00
※受付・開場は9:30~
会場
神戸市立博物館 地階講堂
定員
80名
(先着順。当日9:30から当館地階講堂前にて整理券を配布)
対象
一般
参加費
無料
(当日使用できる観覧券が必要)

サタデーナイト・フォト・アワー

本展をよりお楽しみいただくため、円山応挙筆「海辺老松図襖」を撮影できる時間を設けました。
日付 11月12日(土)、19日(土)、26日(土)※12月3日(土曜)は実施いたしません
時間 17時30分~19時30分
対象 一般
撮影範囲 本展第2会場(2F南蛮美術館室) 川崎美術館・広間の再現展示(円山応挙筆「海辺老松図襖」(12面のみ))

(撮影例)

注意事項
※作品の1点撮り(襖ごとの撮影)はできません。
※「江岸楊柳図襖」「月夜浮舟図襖」「江頭月夜図襖」などは撮影できません。
※撮影した画像はSNSなどにご使用いただけます。
※撮影の際は、周囲のお客様にご配慮をお願いいたします。
※他の鑑賞者の鑑賞を妨げる行為(長時間の撮影、割込みなど)はご遠慮ください。
またスマートフォンのシャッター音についてもご注意ください。
※作品やケース等を汚損する恐れがある接写等の行為はご遠慮ください。
※フラッシュ撮影、動画撮影はご遠慮ください。
※三脚、一脚、自撮り棒、脚立などの撮影補助機材を使用することはできません。
※撮影した作品画像を商業利用することは固くお断りいたします。
※状況によっては中止とさせていただく場合がございます。予めご了承ください。
※その他係員の指示に従ってください。

イブニングレクチャー(学芸員による展示解説会)

日付
展覧会会期中の毎週土曜日
時間
17時~17時30分(受付、開場は16時30分~)
場所
神戸市立博物館 地階講堂
定員
80名(当日先着順、当日16時30分から地階講堂前で整理券を配布します。)
対象
一般
参加費
無料(ただし、当日ご使用いただける本展観覧券が必要です。)
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